【追悼】新谷さんとの思い出
前回の投稿
前回の投稿でセブ不動産エージェントの新谷一志さんの死去について報告しました:
ここであまり私情を書くのはどうかとも思ったのですが (多くの人にとって、私情なんて個人のSNSで書いとけって話だと思うので💦)、新谷さんへの気持ちは当サイトで書くのが一番適切かなと思い直しました。そもそも新谷さんと出会ってなければ、ここのサイトを開設する事もなかったですし、ここまで続けてこれなかったと思いますからね。また書くなら、お葬式/埋葬式が終わったこのタイミングかなと..。
書く事/気持ちを吐き出す事で、自分自身が楽になれる気がしています。とてもエゴな投稿になります事をご了承ください。
今の気持ち
想像以上に悲しみに明け暮れています..。人の死はいつでも悲しい物ですが、こんなに精神的に苦しむとは想像していませんでした。一方、新谷さんと深い関係が築けていた事をありがたくも感じます。中々大人になってから知り合った人で、ここまで感情移入できる関係を築ける事は少ないですからね。
気持ちの浮き沈みがすごくあります。仕事で忙しくしている時などは大丈夫なのですが、ふと1人でなった時に急に気が落ち込んでしまったり..。先日、車を運転している時にGReeeeNの「空への手紙」がふと流れてきたのですが (※元々好きな曲でiPhoneのプレイリストに入れています)、年甲斐もなく感傷的になってしまいました。歌詞が新谷さんやメリアンさん、娘さんの状況と被る部分が多いのですよね。
GReeeeNの曲の中だとどちかというとマイナーな曲に分類されるかと思いますが、個人的には1番好きな曲です。悲しい歌ですが、美しくポジティブな歌でもあります。大事な人を失った時に聴くと、感じる事が多いと思います。
特に..
「志なかばで忘れ物ばかりでやり残したことがきっと悔しいよね？夢を追いかけてるアナタの姿は今でもこの胸に輝いてる」
「『さよなら』も言わずに別れ 心残りもあるけれど アナタのことだからきっと笑って見てるんでしょう あれから月日流れて今 変わらない笑顔見せたいから心配だけはかけないよ 僕も頑張れてるよ」
のフレーズは心に響きました
1つ目のパートは、生前に新谷さんなら「メリアンと色々な夢を描いています。娘たちもまだまだ小さいですし、これからですよ」と聞いていたからです。たくさんの夢があったでしょうし、娘さんたちの成長も生きて見守っていたかったはずです。本当に無念だったと思います。
2つ目のパートは主にメリアンさんや娘さんの事を考えました。さよならも言えない別れが急に来た時の悲しみは測りしれないです。新谷さんはレストランで意識を失ったのですが、メリアンさんは今でもその時の新谷さんの顔を忘れられないと言っています😭
僕はそんな状況の中でもメリアンさんが頑張っている姿を見ているので、歌詞に重ねてしまいました。実は亡くなった次の日やお通夜当日もメリアンさんは賃貸の内見の仕事をこなしていました。別件で連絡を取っていたので、「事情を説明してリスケした方が良い。内見希望者さんもオーナーも事情を分かってくれるはずだから」と伝えたのですが、結局仕事を断りませんでした。本人に色々な強い思いがあっての判断/行動だったと思います。
責任感の強い人ですし、メンタル的ダメージも当然大きく受けていますから、心配ですね。いつか本当の意味でメリアンさんや娘さんが笑顔になれる事を願っています。それを新谷さんも願っているでしょう。
あの日の出来事
亡くなった3月10日の数日前に新谷さんとLINE電話で話しています。また亡くなった当日、というよりも倒れる1~2時間前にもメッセージのやり取りをしています。至って普通でした。今でも信じられないです。
実は倒れた直後に新谷さんから着信がありました。電話のやり取りをする時はどちらかが事前にアポイントメントを取ってからするのが通例だったので、少しおかしいなと思ったのですが、普通に電話に出ました。電波が悪く、雑音が凄かったのと、7秒で切れたので間違い電話かと思いました。ポケット内で無意識でかけてしまったパターンかなと。
後で聞いたら、それは新谷さんのスマートフォンを使ってメリアンさんが僕に掛けたようです。新谷さんたちの日本人クライアントは通常新谷さんが窓口になっており、メリアンさんとは直接連絡を取らないのですが、なぜか僕は「浩介さんはうちのと直接話してください」と言われ、不動産に関わる細かい事は直接メリアンさんとメッセンジャーで連絡を取り合ってました。
多分、僕が多少英語をできるのと、細かい性格で色々と専門的な事を質問してくるので、メリアンさんにパスしたのだと思います(笑)。
そんな経緯もあり、新谷さんだけでなく、メリアンさんとも日常的に連絡を取り合っていたので、問題が起きた時にまず僕にメリアンさんが連絡してくれた/頼ってくれたのだと思います。
上記に書いたように最初に着信があった時は間違いと思ったので、「間違い電話ですかね？」とメッセージを送りましたが、返信なし。今、考えるとこれもおかしいのですよね。新谷さんは基本レスポンスがとても早いので..。
LINE記録
あらためて確認すると、18:55に最後のメッセージのやり取りをしています。20:38の着信の時点では既に意識を失っているはずですが、約1.5時間前までは普通に過ごしていたという事になります。
今でも本当に信じられないです。そしてそれは僕以上にメリアンさんや娘さんを含む親族の方なら尚更でしょう。
新谷さんはどんな人？
とてもシャイで内向的な性格だと思います。メリアンさんも「he is very introversive」とよく言っていました。社交的なタイプでは全くなく、よく自分では「昭和のオヤジですから(笑)」と笑っていました。
ただ1度心を開いた人間にはとても温かく優しい人でした。そして実はすごくお喋りです。僕は定期的にLINE電話で話す関係でしたが、通話時間が1時間を超える事もざらでした。あの広島弁なまりの独特の喋り方・声がもう聞けないのかと思うと、本当に悲しいです。
またすごく責任感が強い人でした。例えば、過去3年間、コロナパンデミックの影響で、多くの日本人がセブから日本に帰国したのですが (特に初期の頃、セブは完全なロックダウンを敢行しましたからね)、その頃に新谷さんに「日本に一時帰国する予定はないのですか？」と聞いた事があります。新谷さんは「多くの顧客様の物件管理がありますから帰国できませんよ」と普通に答えました。実際、僕のユニットは新谷さん夫婦が尽力してくれたおかげで、コロナパンデミック中も一度も止まることなく民泊/賃貸物件として稼働し続けました。感謝しかないです。
メリアンさんにも新谷さんのイズムが継承されていると思いますが、新谷さんは顧客の事を常に第一優先に考えて行動していました。僕が新谷さん夫婦に全幅の信頼を置いて、全てのセブ不動産の管理をお任せしていたのはこの部分が大きいです。それはきっと僕だけでなく、他の顧客様たちもそうだったと思います。
そして家族愛がとても強い人でした。新谷さん夫婦には娘さん2人がいるのですが、「上の子は妻に似て本当にしっかりしているのですよ！下の子は私に性格がそっくりで、内向的なタイプです(笑)」とよく笑って話してくれていた事を思い出します。40歳を超えたくらいに授かった子たちという事もあってか、可愛くてしょうがないといった感じでした。本人たちに口に出して伝えるタイプではないですが、娘さんにもその深い愛は伝わっていたはずです。内容は書きませんが、亡くなった後に娘さんたち2人がFacebookに上げていた投稿を見て、胸が締め付けられました/今でも思い出すと苦しいです。
新谷さんがよく言っていた事
会った事がある人達は知っていると思いますが、愛妻家です。よく「私は妻がいないと何もできないですから」と言っていました。事実、新谷さんが1人で外出する事はほとんどなく、外出する時は、常にメリアンさんと一緒でした。僕も新谷さんと2人で会ったことはないです。以前に聞いた話では、セブに10年間以上住んでいて、新谷さんが1人で外出した回数は数えられるほどと言っていました。そこまで常に一緒にいると、どっちかが嫌になりそうなものですが、「全然大丈夫ですよ(笑)」と答えていたのが印象的です。
また仕事面では「私たちはニコイチですから」ともよく言っていました。不動産の実務的な仕事自体はメリアンさんが全て行っていましたが、新谷さんは日本人顧客様の窓口・連絡担当としてメリアンさんをフォローしていました。またメリアンさんの精神的な大きな支えになっていたのだと思います。それは経営している他のタクシー業やガイド業でも同じと思います。
新谷さんはメリアンさんに対して妻としての愛はもちろん、(ビジネス)パートナーとしてリスペクトと感謝の気持ちを常に持っていたように感じます。僕と2人で話す時も「うちのは本当に真面目です。中々こんなフィリピン人いないですよ」とよく仰っていました。
あと「セブに骨を埋めるつもりです」とは本人の口から何度も聞いていました。亡くなった後に日本に住む親族の方とも電話で話す機会があったのですが、そのご家族の方も聞いていたようです。セブ、特に自宅のあるマクタン島を本当に愛していたし、セブで生涯を全うしようと決めていたのだと思います。
遺影に使われていた写真
上記⇧は遺影にも使われていた画像です。これよく見ると、セブTシャツなんですよね。お気に入りでよく着ていたのを僕も見ています。メリアンさんに聞くと、最後の方は袖口がボロボロになっており「もう着るのやめたら？」と言っても、お気に入りで最後まで着続けていたようです。
現在、新谷さんはマクタン島にあるメモリアルガーデンに埋葬されています。広々としていて、「ここは本当にフィリピンなのか」と感じるくらい穏やかで、美しい場所です。今後はセブに行く度に手を合わせに行きます。
生前お付き合いがあった方で、お墓参りに行きたい方は連絡をいただければ場所をお伝えします。
僕と新谷さんの関係
不思議な関係だったと思います。もちろん不動産管理をお願いしていた1人のクライアントでもあるのですが、距離的にはもっと近い位置にいたと思います。よくビジネスについてアドバイスを求められました。一方、僕もフィリピンについて数多くの相談をさせてもらいました。このサイトでも新谷さんからいただいた多くのローカル情報をシェアしてきました。
僕の方が全然年下なので、おこがましくて友達とは言えないですが、かと言ってビジネスライクな関係だったかと言われれば、そんなかしこまった距離感ではないです。本当不思議な関係でした。ただ１つ言えるのは僕の事をとても信頼してくれていたのは分かりましたし、僕も全幅の信頼を寄せていました。自分で言うのもなんですが、素敵な関係だったと思います。人として尊敬していましたし、好きでした。
上記に少し書いたのですが、亡くなった後に日本の新谷さんの親族の方から直接連絡をいただきました。生前に僕の事を話してくれていたようで、新谷さんが「感謝している」と言ってくれていたを伝えてくれました。僕は感謝する立場であり、全然感謝される立場だと思ってなかったので、その気持ち/言葉がとても嬉しかったです。救われました。
新谷さんとの写真
最後に思い出の写真でも貼付しようかと考えたのですが、iPhoneの中を探しても新谷さんと撮った写真がありませんでした。というのも、僕自身が写真撮られる事が苦手で(撮る方は好きです)、自分が写っている写真自体ほとんど持っていないのですよね💦 こんな事になるなら、もっと一緒に写真撮っておけば良かったと今になって後悔しています..。
しかし唯一新谷さんそしてメリアンさんと3人で撮影された写真がありました。これは僕のSolineaのユニットがターンオーバーされたタイミングで、デベロッパーが記念に撮影して額に入れて贈ってくれたものです。
新谷さん＆メリアンさんとの写真 (ソリニア引渡し記念)
記憶する限り、3人で撮影された唯一の1枚だと思います。大事にしたいと思います。
最後に..
結局、5000文字以上書いてしまいました。実はこれでもかなり削りました。コントロールしなかったら1万文字超えてしまいそうだったので(苦笑)。
最初に書きましたが、書く事/気持ちを吐き出す事で気持ちが少し落ち着きました。これで前に進める気がします。ありがとうございます。また乱文乱筆失礼いたしました。
今後の事はあらためて当サイト及び新谷さん夫婦のWebsiteでお伝えします。メリアンさんとは、お葬式/埋葬式が終わったタイミングで、彼女がどのようなサポートを求めているか、また僕がどこまでサポートできるかを話し合いました。「逝去のお知らせ」で書いた通り、できる限りのサポートをしていくつもりです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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